短編小説 exorcism ②
高校2年の夏、貴子は青森に住む祖父の家に家族で遊びに行っていた。
毎年1週間滞在するのだが、2日目の夜祖父が
倒れて入院した。
検査の結果は肺がん。
何十年も吸い続けたタバコの影響で肺は真っ黒
になり、手術をしても助かる見込みはなく、余
命2週間と宣告された。
貴子は滞在を1週間延長し、祖父の最期を看取ることにした。
毎日病院に足を運び、世話をした。
お見舞いに行くと何度も「タバコをくれない
か」とねだってきた。
貴子は祖父を死に追い込んだタバコを許せなか
ったし、そのタバコを死に際にも吸いたいと言
う祖父も許せなかった。
結局亡くなるまで1本も与えなかった。
死ぬ直前、祖父は私にむかって「許さんからな」と弱々しい声で言い放った。
そして1年後父が死んだ。
不自然に肺だけ潰されて。。
その後死んでいく友人や同僚、全員肺が潰れていた。
つづく。