また読書感想文です。
優れた小説とは何か。
人それぞれ感じる事が違うので一概には言えないが、読んでいるとその描写がハッキリと想像できて、思わず匂いまで感じてしまう。
そして、読み手の感情の起伏が大きいほど良い。
そんな表現力のある小説が優れていると言えるのではないかと思う。
あくまで個人的な意見ですが。
本題に入ります。
またまた三秋縋の作品、「いたいのいたいの、とんでゆけ」を貸してもらい読みました。
主人公がある日、高校生の女の子を車で引いてしまう所からはじまる。
これだけでも最初の掴みとしては強めだが、その女の子はある事象を <先送り> にする事ができるのだ。
もうおもろいて。
またまた夢中になって読み進めた。
貸してくれた人は今回もキュンキュンするところがあると言っていたが、いくら読んでもそんなシーンは出てこずグロテスクで暴力的な描写がほとんどだった。
グロテスクな所にキュンキュンしているのかと、人格を疑った。こわいなあ。
と、思っていたらラストの方では大どんでん返し。
読み進めて行くうちに、こうなんだろうなぁと考えていた予想を超えてきた。
そして最終章ではキュンキュンタイム。
ちゃんとあって安心した。疑ってごめんなさい。
本書は冒頭の話の観点から見ると、かなり優れていると言える。
グロテスクな描写や血の鉄臭さも想像できたし、常にドキドキさせられていた。
非現実的なものほど難しく、作者の表現力の高さには驚かされるばかりだ。
いや、何様だよって感じだけども。
登場人物の心の痛みとか伝わってきて、こっちまで痛くなった。
そんな時は
いたいのいたいの、とんでゆけ!